《MUMEI》
日下部ゆきの
悲鳴を聞いた警察達が部屋のドアを開けようとしていたので、「お仕事完了。」こう言ってネルが出した、ワープの魔法陣に入ってその場を後にした。

ワープの魔法陣の到着地は、私の暮らすアパートの自分の部屋。正体がばれない様にネルに頼んで、結界を貼ってその中で変身を解く様にしている。

変身を解くとネルが、「お疲れ、ゆきの。」と言った。神風怪盗ユノウの正体は、ごく普通の中学二年生の女の子、日下部ゆきの。私が神風怪盗ユノウとしてお仕事する事になったのは、中学一年生の冬に突然ネルが、家の前で傷ついて倒れていた。しばらくして気がつき、私の名前を聞くと、「はじめまして、あなたの母親、神風怪盗ジャンヌ…いや、日下部まろんの血を継いだ、あなたを探していたの。」こう言った。私は母親に会った事が無かったので、簡単にネルの自己紹介を聞くと、我を忘れてネルに質問責めをしてしまった。ネルは数々の質問責めに冷静に応対してくれた。そして、母親の事を聞くと、「神様が言っていた事だけど、日下部まろんは、悪魔界にある悪魔城に封印されていて、その封印を解くために、あなたの力を貸して欲しいけど…。」と言った。さらに、

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