《MUMEI》

アラハバキ族に伝わる古文書によれば、四世紀の中頃にとうとう大和王権との間で、戦争の火蓋が切られたという。
多数の氏族の連合からなる、数十万の軍に対し、アラハバキ族の軍はわずか数千であった。
退屈極まるアラハバキ族の歴史講義の中で、この後の戦闘部分だけは、虎ノ介も唯一わくわくさせられるところだ。
眠気も多少緩和−かんわ−されたように、虎ノ介は背筋を伸ばす。

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