《MUMEI》

また、桜が咲いてた

桜は嫌いなのに

………婆っちゃん

………答えを教えてくれなかったね
なんで、辛くても生きるの?

どうして、生きなきゃいけないの?

婆っちゃん………サヨナラなの?

婆っちゃん……

納骨して、手を合わせてた

密葬を希望したから、派手な葬式はしなかったのに
後から後から、たくさんひとが来たよ

財産目当てだろ!

年寄りを騙して、人として恥ずかしくないのか!

罵声……

まぁ、そんなもんだろうね

俺、大金持ちだよ

………欲しくないよ、そんなもん

他人だけどさ

もし、何でも叶うなら
トウコと、婆っちゃんと、暮らしたかったなぁ
他人だって、わかり合えたら家族になれるよね…

俺の望みは、かなわない
人は、死んだら、二度と戻ってこないんだもん

婆っちゃんの、遺言は
正式なもので、
親族は納得しないだろうけど、法的にそうなってしまうんだ

唯一、俺が、相続を放棄すれば、また、違うのだろうけどさ

親族と、その取り巻きは
それを狙ってる

婆っちゃん、それも、理解してたんだな

俺が相続を放棄したら、全てを寄付だってさ

婆っちゃんが、俺に残した手紙には

タクヤ、戦いなさい

そう、掛かれてたんだ

何と戦うの?
なんで、答えを教えてくれないの?

………婆っちゃん…



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