《MUMEI》

「いけない!」
富岡を止めた。


「少しくらい大丈夫ですよ」
近付く富岡を元の道に引き戻す。


「だって、駄目だ。
こういうのは七生とするべきで……これは変だよ。
付き合っていない男女が、二人で海辺を歩くなんて。」
転ばないように気をつけながら富岡の手を引く。






「私は歩きたいですよ。木下君と」
俺の歩きに軽々と追い付いて富岡は前に立ち塞がった。


波の音から遊んでいる人達がはしゃいでいることが解る。


周りの音ばかり拾ってしまうから今の言葉は聞き間違えたのかと思った。

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