《MUMEI》
増川ユージ
いつもよりも、
3400円も多い。
なんていいことだ!


ユージには…
お金を
貯める訳があった…。


そして、学級委員が号令をかけた。
「起立、礼、さようなら」

だが、ユージは
「起立、礼、さ…」

言った所で、走って帰ってしまった。


シンヤとアキラは、笑いながら、窓からユージの姿を見ていた。

「なぁ〜アキラ、ユージって、本当に金にきたねーよな!」

「うん。そうだね…。
でも…、
ユージって、
本当にすごいと僕は思うよ。

だって、物心がつく前から、お父さん、お母さんがいないんだよ。

僕たちは、生まれた時から、お父さん、お母さんがいるけど、ユージは、本当に寂しかったと思うよ…。」

アキラは寂しそうな顔をする。

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