|
《MUMEI》 捕まって あ、はい ユイちゃん、軽いんだ 細いもんなぁ ハイエースの後部座席に座らせたんだ 車椅子は後ろに積んだ 平日のお昼過ぎ ドライブスルーで、ハンバーガーを買って 車内で遅い朝食を食べたんだ それから、量販店に行って、パソコンを買ったんだ 車椅子って、目立つよね 皆が見る ユイちゃんは、その視線が嫌なんだな… エレベーターで、 ちっ、乗れねーじゃんかよ 若い男が言ったんだ 車椅子が、場所を取ってるからだ 階段があんだろ、若僧 俺の言葉に、回りの人も、俺を見てた んだ、このやろう… そう言った男の耳のピアスを引っ張って こんなん付けてチャラッテんなら、階段使え このや…… どした？、この野郎って、言わねぇのか？ 片腕で、えりを掴み、持ち上げたんだ 喧嘩、俺、メッチャ強いぜ、やるか？ 男を押し出し、エレベーターのドアが閉まったんだ ぁは、遅くなっちゃったね なかなか扉閉まらないんだもん 嗅いだんの方が、早かったかもね ユイちゃんに、そう話したら タクヤさんのせいでしょ、周りの人に…悪いです… 申し訳なさそうに、言うんだ だから、 ごめんなさい 他の乗ってる人たちに頭を下げたんだ 気にしませんよ 一人の女性が言ったんだ そしたら スカッとしたね。あーいう奴はさ、少しかいだんで鍛えた方が良いんだよな 一人の男性が言ったんだ なんか、笑いがこぼれてた どうぞ 扉を押さえてくれた人に ありがとう 俺、そう言って、車椅子を押したんだ は、恥ずかしかったぁ ユイちゃんが言うから そう？ ほら、乗るよ、捕まって あ、はい、きゃっ！ なんだよ お、お尻触ったぁ！ わざとじゃないよぅ ………エッチなこと、しないでくださいね いくつだよ、ユイちゃん １３です…… ガキじゃんか ………スンゲー、警戒してる目で 俺を見てるんだ… ほら、捕まって ……やたら、胸を付けないようにしてやがる 車椅子用の車、買うかな 、 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |