《MUMEI》
リハビリテーション
や、やだぁ、

だーめ

触んないでよ!

おとなしくしなって

あうっ、い、痛い……

硬くなってるな…
ここはどう?

……な、なんなの?!

床にマットを敷いて、ユイを、寝転ばせたんだ

脊髄の手術を三度もした、ユイ

でも、病院の先生の話だと、
足の神経はちゃんとしてるそうなんだ
痛みも感じるし、感覚もあるって

下半身の筋肉が、少ないな

犯すの?

ユイの太ももやお尻を触りまくってた俺に
涙目ながらも、強い目で睨んで、そう言ったユイ

かもね

笑いながら言って

ぁぁあっ!……痛い…

筋も、硬くなってるな

膝を曲げさせ、屈伸するように、ユイの足を胸元に近付けさせ、また、伸ばす
そんなストレッチを繰り返してた

少しづつ、稼働領域を拡げてかなくちゃな
歩行練習なんて後の後だ

残暑厳しい日だったけど、エアコンは止めた
身体が暖かい、夏が勝負だから
昼間は基本的にエアコン禁止にしたんだ

汗だくだった

ふぅ、こんなもんかなぁ
ほら、うつ伏せになって

背中の筋肉のマッサージ
猫背がちだまんな、ユイ

とにかく、ストレッチからだ
筋肉は自然とついてくるはずだよな

日課にしたんだ

朝は自分で上半身のストレッチをさせ、
お昼か夜、俺の時間が空いたとき
全身ストレッチをやる
寝る前も、自分でストレッチをやるように言い付けた

食事も、変えたんだ

ユイ、トイレが嫌なんだよ
車椅子から降りなくちゃならないから

でも、食べて出さなきゃ身体はね

泣いてたな、痛いよって
でも、お構いなしに、続けてたんだ

強制的にね

お風呂も、ヘルパーさんが、居ないと
入らない

腕の筋力もないから、手摺があっても、辛いんだよな

変えてかなくちゃ
でも、意識が変わらなくちゃダメだよなぁ

週に2日、女性のヘルパーさんが、来てくれるんだけど
防犯の都合上、俺の居る時間帯に来てもらってるんだ

けど、ユイは嫌がってる

本当なら毎日ヘルパーさんに、来てもらいたいんだけどさ…

何が不満なのかわからないな



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