《MUMEI》

中年刑事の顔面を、拳が捕らえようとしてた

ダーン!

聞いたことのない、爆音がしたんだ

なんか、足が熱いよ

拳が、それた……

タクヤさん!

ユイの、声……

タクヤ!

千夏の、声…

手間、掛けさせるな、こぞう…

拳銃………ズルいもん、使いやがって…

ふぅっ、ふうっ、ふうっ、

こ、こいつ、

まだ、立てる、
まだ、拳が握れる

千夏を殺すぞ!

殺しなさいよ!
さぁ、撃ちなさいよ!
旦那に秘密なんかひとつもないわよ!
生かしといたら、絶対喋るわよ、
さあ、死体の山、作りなさいよ!

な、なんだと、

ちっ、話が違うじゃねーかよ!
どうすんだ、

ヤバイな、逃げた方が良さそうだが

うろたえるな!
ユイを拐う、逃げても金がなきゃ逃げ切れん!

そうだな、

そうだ、種類は揃ってる、まだ、勝機はある

なめないでね、

ユイが、ナイフをもってたんだ

実印は変えてあるわ
資産は全て寄付になるの、私が死んだらね……

自分の喉に、ナイフを向け、ユイが言ったんだ



前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫