《MUMEI》
黒の英雄と新たな仲間
「……やはりな」
レアンは呟くように言った。
「アセム……アレスの息子か……。王宮は危険だ。アレスの息子なら尚更連れて行く訳にはいかんな。」
レアンは言い放った。しかし怯えることなくアセムは言う。
「貴殿が黒の英雄だったのですね!父は英雄殿は拒むだろうが、何としてもお仕えせよと申しておりました。」
それを聞いてレアンは呆れたようにため息をついた。
「あんたの頑固さは父親譲りだな。………そこまで言うなら勝手にすればいい。」
レアンは最後の言葉を濁しながら言うと、さっさと歩き出した。
「はいっ!勝手にします!よろしくお願いします!英雄殿っ!」
アセムも後を追って走り出した。
「英雄、英雄うるせーって!」
荒野に二人の笑い声が響く。王宮に到着するのはこの出会いから5日後の事であった。

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