《MUMEI》 黒の英雄と新たな仲間「……やはりな」 レアンは呟くように言った。 「アセム……アレスの息子か……。王宮は危険だ。アレスの息子なら尚更連れて行く訳にはいかんな。」 レアンは言い放った。しかし怯えることなくアセムは言う。 「貴殿が黒の英雄だったのですね!父は英雄殿は拒むだろうが、何としてもお仕えせよと申しておりました。」 それを聞いてレアンは呆れたようにため息をついた。 「あんたの頑固さは父親譲りだな。………そこまで言うなら勝手にすればいい。」 レアンは最後の言葉を濁しながら言うと、さっさと歩き出した。 「はいっ!勝手にします!よろしくお願いします!英雄殿っ!」 アセムも後を追って走り出した。 「英雄、英雄うるせーって!」 荒野に二人の笑い声が響く。王宮に到着するのはこの出会いから5日後の事であった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |