《MUMEI》
復習
「うん。話せば長いんだけど聞いてくれる?」
私とナエルは「「うん」」と頷いた。
「私の住んでた村はね、とても綺麗な村だったんだ。春にはお花が沢山咲いて、夏には綺麗な川で遊んで、秋には美味しい食べ物が沢山取れる自然豊かな所だったんだ。あの日が来るまでは…。」
「…あの日?」とナエルが聞いた。
「そう。あの日…。あの日アイツに…アイツに…!!!」
「…アイツに?」
「みんな…みんな殺されたんだ!!!」
…え?ちょっと待って。落ち着け…落ち着け私!!!お父さんが人をコロシタ…?
そんな分けない!
だって……『何がだってなの?私のお父さんは村を滅ぼしたのよ?』
心の中の私が言う。『ほら、早く言いなさい。その人は私の父親だって。』
どうしよう…落ち着け…冷静になれ…
「ねぇ、アンタ顔色悪いよ?どうしたの?まさか…ホルダー・ダ・ビーズの知り合いなわけ…?」
ドクドクドクドクドクドクドクドクドドクドクドク!!!!!!
心臓があり得ない速さで脈を
打ってるのがわかる。
よし。ここは正直に話そう。
アナタの探しているのは私の父親だっていう事を。話さなきゃ……
「じ…実は…」「お前の探している奴は俺の親父だ。だから手を出すな!」
ナ…ナエル?自分が何を言っているのか
分かってる?
殺人鬼に殺して下さいって言ってるような
事だよ?何で私をかばうの?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫