《MUMEI》

「………」
さっきからアイツが喋らない。
嘘って見破られたか…?
「ナ…エル?」
シャルナが泣き出しそうな顔でこっちを見る。
もしもシャルナがアイツに本当の事を言ったら間違いなくアイツに殺されただろう。
それに、俺はアイツに……アイツに……
親を殺されたんだ……!!
今の親は俺を保護施設から引き取ったんだ。
お袋は子宮をなくして子供が作れない体で、それでも子供が欲しかった2人
は、俺を引き取ったという事だ。
その事を初めて知ったのは、10歳の時だ。
その後は別にいつもと同じように過ごしていたけど…。
「……ハァ。」
ようやくアイツが口を開いた。
「……嘘ってバレバレ。私ね、耳がすごく良いの。心臓の音まで聞こえるよ?
そこの女、アタシが知り合いか?って聞いたとき心臓の音がすごく早くなっていた。」
……クソッ!バレたか…
どうしよう……このままじゃシャルナが…
ーコロサレルー
俺はどうする事も出来ないのか…!!

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