《MUMEI》
正面から…
会社が休みに入ったんだ

夕食は、外で食べた
美樹と駅前で待ち合わせして

軽くお酒も飲んで、二人で帰ったんだけど

………感じ取ってるのかな?

美樹の口数が少ない

向き合って座ったんだ

なぁ、この暮らし、悪くないんだけどさ……
今の美樹、かなり好きだよ
でも、信用してないってか、やっぱね……わからないことがたくさんあってさ

うん………私もだよ

ちょっと、ぶつからねーか?

え?……

手離したくねーけど、別れたい気持ちもあってさ
けど、考えても曖昧なままなんだよね
美樹、どうなるにしてもさ、このままは、よくねーよ

…………うん

お前、ムリしてねーのか?

べつに、ムリはしてないけど……
どっか、淋しいかな、
貴方が別れたがってるの…わかるからかな

アナル嫌なんだろ?

好む女は、いないんじゃない
でも、したいならいいよ

………俺から話すよ、黙って聞いてくれ
その後で、美樹の事を教えてくれよ

…はい……

静かな部屋

暖房の音が、してる
寒くはないけど、張りつめた空気を感じた

美樹、うつ向いてる

ネクタイを緩めたんだ

そして、タバコを取り出した

美樹が俺を見たんだ

たまに、吸うんだ

………そう、私にもちょうだい

美樹も吸うの?

……前は、吸ってたわ

知らないことだらけだね、お互い

そうね……

携帯灰皿を出したんだ

そして、美樹にタバコを渡した

……本当だ、なれた手つきで、美樹がタバコをたしなんでたんだ

………

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