《MUMEI》 黒の英雄と無くした鱗キャンプでの一件の後、国境を少し越えた辺りで、ジンは愚痴っていた。 「この傷が治らないんだよーっ!」 左腕に巻かれていた包帯を外す。そこからは血が滴っていた。 「………それは?」 フランが傷口をのぞきこんだ。 「鱗、剥がされた…。その傷跡。」 「シノが持っていった鱗…か?」 レアンが言う。うん、とジンは首を縦に振った。 「一応、魔法で止血処理しておきますが……。」 アセムが魔法で血を止める。 「まぁ…すぐ鱗なんかもとに戻るんだけどね…♪」 じゃあさっきの愚痴は何だよ………!と思った一同であった。 ちなみにすぐとは5ヶ月後の事であるのは知る筈も無かった。その間血が止まらないという事も………。 前へ |次へ |
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