《MUMEI》 「ψζΩΧδφ!!」 「・・・・♂£¢Χ∞!!!」 その口々から漏れるのは、現代からは忘れ去られた神代文字だけが表す事のできる呪文だ。 その読経のような響きの生み出す旋律は『言霊』となって、周囲の大気に浸透していく。 大和王権側の馬達が不穏そうにざわめき、続いて兵士達も得体の知れない耳鳴りに襲われて動揺する者が出始めた。 周囲の砂つぶが浮き上がるのを見た兵士の目には、怯えの色が浮かぶ。 すかさず隊長格の者の叱咤−しった−する声が、兵士達の間で上がる。 「うろたえるなー!キ奴らのあやかしの術に惑わされるなー!!」 虎ノ介は『見た』。老人達の半数近くの額に「第三の眼」が開き、それが黄金の光を放っている様を。 前へ |次へ |
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