《MUMEI》
5
「はぁ、はぁ、はぁ、、」

全速力で走ってきた。
なんとか間に合ったようだ。

周りには人がたくさんいる。
テレビのリポーターだってきている。
学生だって少なくはない。

これから何が始まるのだろう…。

「兄ちゃん、なんだか楽しみだね!!」

「…そうだな」

恭介が腕の時計を見る。

「もうすぐみたいだな」

時計の針が、カチッと鳴る。

「皆様、大変長らくお待たせいたしました。」

スーツに道化師の付けるような仮面を付けた男が現れた。
どこに現れたかって?
それは…私たちの真上。

ざわめき始める。
何かで吊るしているのかと思えば、周りにつるせるようなところはなかった。
しかも、重力なんて関係ないようにふわふわと浮いているではないか。

「なんだ…あれ」

「新手のマジックじゃないの?」

「新手…って;」

携帯を取り出して、写真を取っている人もたくさんいた。

「あぁ、すみません。いきなりこんなお出迎えだと困ってしまいますかね?
 このことはゲームに参加して頂いた皆様だけにお話しすることになっているんです。
 まあ、その話はあとで後で。
 申し遅れました、私ゲームマスターの第三秘書でございます、エドウィンと申します。
 以後、お見知りおきを。早速、あなた方を、ゲームの中へとご案内いたしましょう」

エドウィンと名乗る秘書がパチンと指を鳴らすと、恭介や杏のいる地上に、
ブラックホールのように、すべてを飲み込むような大きな穴が開いた。
…もちろん、みんなまっさかさまに落ちていく。

穴に入る時、水平に張られた結界のようなものに、
四ケタの番号が一瞬映り込む。

「もしかしてこれは…」

「会員番号だな」

穴はどんどん広がっていき、民衆が全部落ちるくらいのところまで広がると、膨張が止まった。
テレビのリポーターが、穴に落ちた…

 …はずなのだが、何故か、結界のようなものの上を歩いている。

そのリポーターのみならず、カメラマン、音声さんなどなど。
みんな驚きを隠せない。

「申し訳ございませんが、この先は関係者以外、立ち入り禁止なのでございます。
 では、ごきげんよう♪」

エドウィンはそう言い残すと穴の中に飛び込んだ。
途端に穴はせまくなって、消えた。



これが、世界をおおいにに変える出来事となる。

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