《MUMEI》

調べ事があるからと、婆ちゃんの屋敷に、泊まり込んだんだ

ユイは、兄貴たちに預けた

一気に型を付けてやる…
ユイが、学校に通い出す前に…

山崎は、古くからこの地で貸金業をやってるんだ
佐久間とは仲が悪いと聞いてる

俺の改革で追われた佐久間の奴等が、山崎の元に集結してるそうだ

嫌がらせをした

不動産を買い漁り、山崎の店が入ってるテナントを追い出したんだ

駅前のビル、そして、街道沿いの雑居ビル

割高で買っても、俺にははした金だ

築年数も古いし、オーナーはこの期にと、高値で売ってくれたよ

店を移転すれば良い、甘いね
俺が山崎に喧嘩を仕掛けたと、不動産業界は思うだろうさ
はたして、テナントを貸してくれるかね?

俺は暴君として有名だし
強引なやり方も、有名だ

敵対する奴は、片っ端からぶっ潰すと、豪語した俺に、面と向かって挑む奴がこの街に居るのかね

そして、借金の違法金利返済を求められると、新聞や広告でPRしたんだ

名指しはしてないけど
女弁護士さんの事務所に協力を求めて、
今なら着手金無料と、売って出たんだ

それから、役所から圧力を掛けて、警察を動かしたんだ

一連の事件がある
もし、また、被害が出るようなら、佐久間はこの地を見捨てる、とね

税収も激減するし、地価も暴落する
企業にも融資をしてるし、投資もしてる、
全て引き上げたら、地元産業は大ダメージだろうしな

電鉄会社すら、運営が危うくなるだろうね
思い知らせてやる
俺は公人でもなければ、慈善家でもない
暴君だとね…

適当な理由を付けて、山崎と関係のある組事務所に警察が、
家宅捜査に入ったのは一昨日の事だ

別件で何人か引っ張ったそうだな

黙ってるはずがない…

さぁ、来いよ



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