《MUMEI》 「日向さん、ようこそいらっしゃいました 今回は単身でケルベロスでしたか ……あんまり無理しないで下さいよ?」 「無理させてるのは誰だよ!?」 青年……日向は不機嫌な表情のままで応接用のソファーに腰掛けた。 「で、わざわざ呼び出しといて何だよ ……まさかとは思うが、雑談がしたかった、とかじゃないだろうな?」 日向はアリシアを睨むようにしながら言った。 言葉の端々から殺気すら漂っている。 「それは素敵な提案ですね……暇だったら、ですけれど」 アリシアは楽しげに軽口で返す。 「早く本題に入ってくれないか?」 「日向さんはせっかちですね、この程度の冗談も楽しめないとは ……えぇ、わかりましたから、そんな目で睨まないで下さい 実は折り入ってお願いがあります」 「何だ」 「あなたもそろそろベテランですからね 新人教育をしていただきたいのです」 それを聞いて苦虫を噛み潰したような顔になる日向。 「魔王が頻出してるってのにそんなことしてらんねーよ」 「特異点は守護者を全稼働しなくとも対処しきれています しかし、この先もそうとは限りません 余裕がある今の内に戦力を増やす必要があります」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |