《MUMEI》 2「ぁ、あの……」 自分の手を引く日向に対して声を掛ける光。 「どうした?」 走りながら聞く日向。 「痛い……です」 「す、すまん」 日向は慌てて手を離す。 光は胸に手を当て、呼吸を整えている。 「はぁはぁ…… ……わたし、運動苦手なんですよ」 パタパタとシャツの襟元を煽っている。 「……この程度でバテるのか」 「文化部です……から」 光はその場にしゃがみこんでしまった。 日向はそんな彼女を呆れたように見下ろした。 「そんな状態で守護者として戦えるのか?」 「……知りませんよ、そんなの 怪我して病院にいたのに、無理矢理連れ出されて わたしにどうしろって言うんですか」 あまりに投げやりな回答。 日向はそんな返事を予想していなかった。 「……もしかしてアリスから説明を受けていないのか?」 「病室から訳も判らず連れて来られました」 日向は頭を抱えた。 「なら、説明してやるから 一旦場所を変えるぞ」 前へ |次へ |
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