《MUMEI》
黒の英雄と夢幻の牢獄
レアンはアカルネ王国を出て西へ旅をしていた。

紛争地帯であるそこは町も荒れ果てている。
小さな集落から大山脈へ入る街道沿いに『夢幻牢獄』と呼ばれる暗殺者を収監する施設がある。

この荒れた国は元々は国王がいた。しかし、家臣の反逆により、王家は滅亡。現在のような有り様になってしまった。
「酷い地域だな…ここ。」
レアンは溜め息をつく。
「『夢幻牢獄』が近くですから、余計でしょう。」
「夢幻牢獄〜?」
ジンがアセムに聞き返す。
「王家が滅んだあと、次の実質的支配者となった元家臣の一族を全員暗殺した。暗殺者一人の為の牢獄です。」
「酷いことするな………。」
「酷いのは家臣一族ですよ。暴虐の限りをつくし、抗がう民を…殺した。逆に彼が正義なのです。」
「ふーん、で、今はこの地域は誰が統治している?」
「家臣団のNo.2セストン一族。彼らもまた同じことをしている…。」
アセムが目を伏せる。
レアンは笑みを浮かべると、
「なら、そいつを脱獄させて王家ぶっ飛ばす。国王の代わりはフランとかアカルネの王家に任せればいい。」

そしてレアン達はこの荒れ果てた王家との戦いに挑むこととなった。

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