|
《MUMEI》 ホスピタルトウコ………間違いない トウコだ…… 真っ白な部屋の中で、 窓から海を見てるトウコ… 身体が震えた ………トウコは、生きてたんだ でも…… 全ての事に、感心がないのか、 部屋に誰が来ても、振り向きもしない 先生からは、大きな声を出したり、触れたりはしないでくれと、言われた 母親でさえ、唐突に身体に触れると 狂ったように暴れるそうだ… トウコの隣に椅子を持っていき、並んで座ったんだ ……暗くなるまで ………ヘルパーさんが、部屋に明かりを灯し、窓を閉めた 会話も、何もなく、部屋を後にしたんだ 近くにホテルを取ったんだ ……タクヤ、食べなきゃ身体がまいっちゃうよ うん…… タクヤさんに会えば、もしかしてと、思ったんだけど… ……ユイ、千夏に送り迎えさせるよ 俺はここに残る なら、私も残るわ ………そうだな、付き合ってくれ もちろんよ 静香さん、諦めたらソコで終わりなの 私ね、ズット諦めてたの 幼いから仕方ない、歩けないから仕方ないって…… ……静香さん、旦那さんはどうしてるのですか？ ……山崎と、一緒だと思います ここに来ることは？ 知られてはないはずですけど… ……念のため、手を打っとくか そうね、それにしてもあのホスピタルの人、態度が急に変わったよね！ そうだな、そんなもんだよ 俺が来たと噂になれば、山崎たちにも知れるかもしれない 電話してくるよ、食べてて ここから電話して ………そうだね、隠すこともないもんな うん、必ず現れるよ… 俺も、そう思うよ 守って見せなきゃね そうだな、今の俺なら、出来る 出来るはずだ… …………うん、少し、心が醜くなる ワガママな男ですまない ………ズルいかもしれないけど、抱いて、今晩 ……立つかな？、俺… タクヤも、心が乱れてるの？ ………痩せ細ってたな……トウコ… ……それでも、あんなに綺麗だなんて… 髪も、服も、あんななのに…… ズルいよ……綺麗すぎる… ……負けてないよ、ユイもすこぶる綺麗だよ 言葉じゃなく、わからせて …………うん 、 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |