《MUMEI》

寒い日だった
すっかり、冬の匂いがしてた

迎えに行くはずだったのに、
ユイが来なくて良いって……

千夏が迎えに行ったんだ
退院の手続きも、千夏がしたそうた

今、こっちに向かってるって…

……落ち着かない……まだ、来ないよな
オイル交換でもしてくるか…

兄貴の店に行ったんだ
繁盛してらぁ、混んでるよ……
従業員も雇ってる…

悪いね、少し待っててくれよな

こらぁ!

ゲシッ

しゃ、社長なにすんですか!
痛いなぁ、もう

お前、誰に口聞いてんだ?
俺の弟にタメ口か?

え?……弟って、さ、さ、佐久間さん?!

………兄貴、いいよ、待つよ
割り込みは良くないよ

…悪いな…急がせるからさ

構わないよ、予約なしに来たのは俺だしさ

………エンジンオイルもだけど
トルコンオイルも変えたんだ

凄い滑らかに走るようになったよ
気分いいや
音も静かになったような気がするし

………まだ、来てないか…

ガレージに車を停め、家に入ると靴があったんだ
女物の靴が……二足

遅いよ、どこ行ってたの?!

ユイ……

見て、歩いてるよ、わたし

うん…………

あ…………タクヤ

ユイを抱きしめたんだ

タクヤ………連れてきたよ…

ユイが、そう言ったんだ

千夏は?

静香さんと一緒に、行くところがあるんだって…

そうか……

来て、待ってるよ、トウコさん

………うん



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