《MUMEI》
もしかしたらもしかするかも!?
私は泣きながら廊下を歩いていた。
すると、前方から歩いてきた人が
「もしかして・・・柊?」
この声は・・・
「慎一・・・先輩?」
あ・・・どうしよう。
こんな泣き顔見られたら恥ずかしくて・・・
告白どころじゃないよ・・・!!!
「なんで・・・俺の名前知ってんの?」
あ、そっか。
あの時はただぶつかっただけで・・・
名前のやり取りなんてしなかった。
「あ・・・えと。と、友達に教えてもらって。」
そういってふと思った。

なんで慎一先輩は私の名字を知ってんの?

私たちは・・・
何の関係も無くて・・・
ただあの時ぶつかっただけの関係。

「あの・・・私の名前・・・知ってますか?」
そうだよね。
絶対に知ってるはずがない。
っていうか、知ってたらおかしいよね。
「柊 杏奈・・・じゃないの?」
「え・・・??」
なんで・・・?
なんで知ってんの?
おかしいよ。
ここまで来ると・・・意識せずにはいられない。

もしかすると・・・慎一先輩は私のこと・・・

なんてね・・・はははっ
あるはずがない。
「何で知ってるんですか?」
「あ・・・えと・・・」
顔が・・・
慎一先輩の顔が・・・赤い!!!
なんで!?
理解できなくてどうしようか迷っていると
「柊が・・・好きだから?」
え・・・
えぇぇぇぇぇええぇぇぇ!!!!!
い、い、い、今なんと!?
「え・・・あ、あの・・・」
いやいやいや・・・
ないないない
なぁぁぁぁいいぃぃ!!!
「いつも明るくて・・・元気だなって。だから友達に聞いた。」
あ、そういう意味ですか・・・
LOVE(ラヴ)じゃなくてliek(ライク)・・・?
ちょっと残念だな・・・
なんて思ってのは私だけかな・・・?
「あの・・・私も好きですよ?慎一先輩のこと」
これで思いが伝わればいいのにな・・・

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