《MUMEI》

「…全員、登録完了を確認いたしました。
 次は、戻るをタップして、さっきのコマンドのページを開き、
 そこから ○強さ を確認してください。」

…強さ?
主人公の強さってとこか。HPとか、Lvとか。

「開きましたか?そこは貴方の強さが書き記されています。
 自分のHP、攻撃力、防御力、回避率などいろいろ…
 貴方の知らないあなたの情報が、そこにはのっています。」



木佐森恭介 ♂

Lv7
HP:150 スキル:無し
攻:60 防:80 回:70
状態:健康


…最大何レベルなんだよ。

…レベル7?…弱いな、俺。ハハハ、Luckyseven…。

あ、梓は?


「梓、お前の見せろよ」

「うん?ホイ」



上原梓 ♀

Lv30
HP:300 スキル:無し
攻:250 防:200 回:180
状態:健康




…見なかったことにしようか。



「恭介のも見せてよ」

「ダメダメダメダメ!!NONONONONONONONONONONO!!!」

雑魚いから…
女より雑魚いから…;




「イタイイタイイタイイタイッ!!」

腕をギリギリと握られ、ポロッと落ちた端末を反対の手でキャッチする。


「あ」

「…ほぉぉぉおお」




雑魚だって…
絶対「雑魚だコイツダッセーーww」
って思っているに違いない…!




梓はにこやか―に笑った。

「大丈夫!恭介は私が守るよ」


え?

なんだこの展開はぁぁぁぁぁあああ!!

まるで姫と王子の性別が交換されてしまったようだ。


あぁ…俺は女々しい男だなぁ…。
性格も、強さも。

屈辱…

まぁ、何をいまさら、なんだけど。

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