《MUMEI》
後悔
「・・・・・・無理」

今宵の家のインターホンに指をかけながらも押せずにいる人物がいた。

かれこれ20分はそこに立っているだろう。

これって不審者に見られてもおかしくないよな。

今更なことを考えると、歩雪はため息をついた。

昨日の今日で顔合わせずらいが、今宵にきちんと謝ろうと思ったのだ。

・・・・・・思ったのだが。

気持ちの整理がつかない。

やはりあの時言ったことは冷静になっている今考えてみても、本音。

本音を言ったことは後悔をしていない。

あれは今宵にも分かっていて欲しかったから。

自分のことを。

しかしその前のことは後悔と言うよりも、罪悪感のほうが強い。

何であんなことしちゃったんだろ。

こーを恐がらせるつもりは無かったのに。

はぁ、と歩雪はもう一度ため息をつくと、自分の家へ足を向けた。

今行ってもオレがちゃんと話せなそう。

こーの顔見たら頭ん中真っ白になりそうだし。

明日は必ず、と歩雪は心に決めると自分の家に入った。

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