《MUMEI》

「二郎は測らないの?」


「俺は変わってないから」


「171?」
七生は目盛りをもう一度自分の肉眼で見直した。
余程嬉しかったのか。



「それにさ、俺こんなんだし。」
タオル一枚を腰に巻いてるだけだ。



「あー……、風邪ひくな。はい。」
手に持ちっぱなしだった小さなタオルを肩に掛けてくれた。


「いらんよ。
…………やっぱり測ろうかな。」


「気まぐれだな。
しゃーないなー測ってやるかー。
ほれほれ、背中付けなさーい。」
急かすな。

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