《MUMEI》
秘密
部屋の扉を開けると
龍瑛は少し驚いた表情で見てきます。

「彩……?桜つけて……る…よ?」

「龍瑛がつけたんじゃない!」

龍瑛は少し微笑むと

「早く教えてよ!この世界のこと!」

それから色々教えました。
道具のこと。身分のこと。家の人のこと。
代わりに龍瑛は自分のことを教えてくれました。
だけど前教えてくれたことばかりで、最後に言おうとしたことは教えてくれませんでした。

一ヶ月後。
この世界にも慣れたようです。
夏が近づいてくるので、少し暑くなりました。

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