《MUMEI》 ユウマへ。思い返せば、手紙を書くのは初めて。 あの日までは、言葉で、ちゃんと伝えられたから。 ユウマ。 私は、本当に酷いよ。 ユウリの・・・あなたの弟の優しさを、利用してる。 利用して、散々傷つけて、結局あなたのことが大好きなの。 こんなにも、あなたのことが大好きで、でもそんな私をユウリは好きでいてくれる。 ユウリは、私のどこが好きなわけ? 私、怒った様に、訊いてみた。 そしたらね、なんて言ったと思う? 「気づいたら、好きになってた。何でか、なんてわからないけどね」 私のことを何でって。 それまで、そう思ってた。 だけど、そう返されたら、何も言えなくなるよね。 だって私も、あなたへの気持ちは、いつの間にかだったから・・・。 私はそのときね、ユウリのことが心底恨めしくなった。 だって、わかって言ってる。 私が返せなくなる言葉を。 なんか、話ぐちゃぐちゃでごめんね。 でも、私の本当の気持ちを、ここには書いてるから。 あなたが帰ってきたら、声を出して、読んでほしい。 私の本当の気持ちを。 あなたに届いてほしいから。 前へ |次へ |
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