《MUMEI》
おかえり
「俺、事故に遭ったんだよね?」

「・・・うん」

「お前のために」

「うん・・・ごめんね・・・」

私は唇を噛み締めて、口の中に血の味を感じた。

「は・・・?何いってんだよ」

「え・・・?」

「お前のためなら、別にいい。それに、生きてるしな」

そう言って、微かに笑みをこぼした。

「ただいま」

「・・・おか、えり・・・!」

そう言って抱き合った。

私はすぐに、罪悪感を感じたけど、聞こえた声と言葉で包み込まれた。

「あー、俺の出る幕なし?」

「ユウリ・・・!」

「カップル成立おめでと」

「え、ユウマは」

私がそう言いかけて、口を塞がれた。

ユウマが私の手を持って、私の口を塞いでる。

「薬指にどうですか?」

「〜〜っっ」

ユウマが私の薬指にリングをはめる。

「何だ、準備万端かよ」

「事故の前に、買ってた」

少し悔しそうに、悲しそうにユウリが言う。

私の気持ち、知ってたんだね。

ユウマ、ありがとう。






私を、ユウマのお嫁さんにしてください。

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