《MUMEI》

「俺の事好きって言ったよな。」
七生はぴくりとも動かずに俺を見据えている。

「どうなんだよ!」
ずっと俺から目を離さないからこちらから逸らしてしまう。不安が募り答えを急かした。





「言ったよ。」
七生のその言葉で更に思考が駆け巡る。





「でも、俺は断ったし七生は何事もなかったようにしてただろう。

どうして急にかえでや富岡とくっつけようとする?
お前にそこまで干渉される筋合いはない。
それを許したとしても俺にはまだ解らないよ。」
七生は黙りこくっていた。
俺は思うがまま怒りをぶつける。まだ話せる。深く息を吸う。


「そうまでして俺に彼女を作らせようとしたくせになんで今日脱衣所で俺の…………







精器触ったんだよ!」

股関のことなんか滅多に口に出さない。
長い間が俺に羞恥心を植え付けた。悔しい、何故こんなに怒らなければいけないんだ。

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