《MUMEI》 「馬鹿ァ、馬鹿馬鹿 だから、なんでそんな事を言うのに勝手な事ばかりするんだ!」 涙が出て止まらない。七生を殴る。俺なんかの力では七生は動く訳ない。 「馬鹿だって! 勝手な事だって! 俺は、俺は二郎が好きなだけなんだよ!」 七生は殴る俺の手首につかみ掛かる。 壁に頭を強打した。 痛い、苦しい、こんなの違う、違う。 体が動かない、泣き顔を見られないように俯いた。 弱い人間だと見られたくない。 こんなに強く捕まられると痣になってしまう。 それでも振り切る事が出来ない自分にまた涙が出てくる。 前へ |次へ |
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