《MUMEI》

「梓!どこ行ってたんだよ」

「ハハハ…」

自分でどっか言ってた癖にすぐ戻ってくるなんて、可笑しいけど。


「粛清に!」


秘書が皆を招集する。


「まだ説明会は終わってはいません。最後まで話を聞いた方が、身のためですよ」




「スキルの使い方は独学で学んでください。人によってやり方が変わってくると思いますので。
 …スキルについての説明はここまで。
 次は、このRPGの攻略法のことを説明しましょう」


「これが分かんないと意味ないもんな」


「このゲームは、いくつもの世界を回り、“オーブ”を集めてもらいます。
 世界は全てで5つ。一つの世界に付き一つのオーブがあります。
 ですが、今私たちがいるこの世界、『鏡の世界(ミラーワールド)』と、最後の世界だけは、オーブがありません。
 つまり、全てで3つのオーブを集めてほしいのです。
 ですが、世界から出る場合は、“秘宝”を集めなければいけません。
 秘宝は世界に1シリーズ。1シリーズ7つ。一人が、もしくはそのグループが7種類所持していれば、
 世界を移動できます。
 秘宝はNPCが持っていたり、イベントや大会の商品になったりするので、そこは積極的に参加して下さい。
 1グループが別の世界へ行くと、秘宝はその世界のどこかにまた散らばります。
 また、所持しているグループに、戦闘で勝利したり、取り引きしたりすることでもらうこともできます。」


「なんかスマホのアプリにありそーな…」

「クリアした方々は、このままゲームに居座ることもできるし、元の世界に戻ることもできます。
 …また、10位以内にゲームクリアした方々には…貴方のスキルと不老不死の秘薬を差し上げましょう」


「不老不死!?」

これはまた、悪そうな奴が目をつけたりしそうなって…
それよりそんな薬の存在自体がありえない。

でも、こんな意味のわからない能力を習得させる水溶液があるのならば、
不老不死の秘薬だって無いとは言い切れない。

「食糧は店などで買うこと。店員などはみなNPCです。
 住居は端末から購入すること。
 お金に余裕があるのならば、豪邸を建てるのもよし。
 そこで永住するもよし――――。
 お金はクエストやイベントで手に入れること。
 
 これで説明は大体終了しました。
 鏡の世界は秘宝がないので、ゲートから好きな世界へ旅立ちなさい。
 これで、説明会を終わります」

上空の花火ラッシュも終わったようだ。
なんだかショボイ説明会だったような気もするが。

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