《MUMEI》

落ち込んでしまっている様に、二人はひどく悪い事をしている気になってしまった
「……もう一回、作ってみ」
「……なっちゃん?」
「こういうのは慣れだろうからな。もう少しだけ、付き合ってやる」
此処で自分が諦めてしまっては何となく後味がわるい、と改めて作ってみる様言ってみる
二人の意欲はどうやら失せては今買った様で
すぐさま立ち直るとまた台所へ
「……相手の男、重てぇだろうな」
「確かにな。まぁ、女の子らしいといえばそうなんだが」
互いに顔を見合わせながら苦笑を浮かべて見せる
台所でいまだ右往左往する岡本たちの姿を眺め見ながら
前野たちは溜息に肩を落としたのだった……

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