《MUMEI》
WATER‐WHITE
説明会が終わり、北風に背筋を凍らせ、白い息を吐く。
さて、これから何をするか。

このゲームには、必ず“死”がまとわりついてくる。
それから逃げることは不可能だ。

片手の端末をのぞく。
…まだ見てないアプリがあったみたいだ。

『情報通知』

タップしてみる。
そこには、参加人数、人の位置、生存者の数――――。
おお、参加人数は704338人か。結構いる。
皆、ゲートの方にかたまってるな。混雑している。

…あれ

なんで?


参加人数が704338人にもかかわらず、生存者が、704304人。
一気に34人も消えている。

もう、殺し合いが始まっている?

位置を見てみる。
やはり、ゲート付近でアイコンが消え始めている。

今ゲートに行けば、弱い自分はすぐに死亡。ハイ永眠。
墓も作られず無残に死ぬのはごめんだ。誰が行くかボケ。

…でも、この消え方は異常じゃないだろうか。
一つのアイコンを中心として、その周りのアイコンは一気に消えていっている。

爆弾でも所持している奴がいたか?恐ろしい。

あぁ、俺、そろそろ命日だ…。

隣を見てみる。

梓がゴソゴソと何かをやっている。

「何やってんだ梓」

振り返った梓は、黒い笑みを浮かべ笑っていた。

「ヒィ」

とっさに後ろへとびのけ…たが腰を抜かしてすってんころりん。
あー…臆病だなぁ…弱虫だなぁ…。
それより梓が怖い;;

しかもなに?あの黒い笑みを浮かべて今にも「イヒヒヒィ…」といってきそうなゾンビのような歩き方しやがって
それに?その右手にはどっかのファンタジー漫画に出て来そうな鎌持ってるし…


…鎌ァァァァ!?


「ちょ、あ、梓さんんん!?そのか、鎌…!」

「ハハハハ…気づいたかね」

そういって黒い笑みのまま鎌を振り回している。

「危なッ」

「ハハハハァ…すごいだろぉぉぉ これ私が作ったんだよぉぉ」

「俺今日死ぬんだ!今日が俺の命にちなんだァァァァァァァァァァァアアアア!!!」

「うるっさいよちょっとからかっただけじゃんってかシカトしないでよ」

そう言って鎌を溶か…

…地面のアスファルトにドロドロの物が流れ落ちて行きました。


やばい…こんなやつらがウロウロしてるんだ…本当に死ぬ…!!!

…梓が知り合いでよかったぁ…。
知らない人だったらきっとあの鎌でもののけ姫のアシ○カの放った矢が刺さったみたいに首が飛ぶ〜…。

…どうやったら生き残れる!?
まだ俺大人にもなってないですし彼女とかつくってみたいですし…!

こんなことになるなら参加しなかったよ!って拒否したら殺されるんだった…。


…そうだ!


「梓!俺達チーム組もうぜ!」

「うん!わかった!じゃあ恭介がリーダーだね♪」

「なんで勝手に決めちゃうんだよ♪」





「…結局俺リーダーかよぉ」

「提案した奴がリーダーになるんだよ」

「えぇー」

「じゃあ梓がチーム名決めなさい」

「無理」

「リーダーの言うこと聞きなさい」

「へーい」

――――――――
―――――――――――――…


「WATERWHITE!」

「ハイ?」

「ハイ!決定!これから私たちWATERWHITE」

「…」

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