《MUMEI》
記憶
少し経ってから、テンアは説明を続けた。


「私は、さっきいた薔薇畑で目覚めた。どうしてここにいるかは、分からなかった。

だが、一瞬で理解した。私のするべきことなどを…。私には、自分の過去の記憶がない。記憶だけではない、感情というものもない。

知っていることは、お前たちのことや、自分が使える技(魔法)、世界のことなどだ。」


『そうか…。そういえば、選ばれたものって何?』


「お前たちには、私の手伝いをしてもらう。」


「手伝いって何をするの?」


「宝探しでも手伝うのか?」

シンヤは、冗談で言った。

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