《MUMEI》

何で、二人とも黙ってるのかしら?
話すこと、有るでしょ?

マオミさん、そう言ったんだけど

俺も、ジュリさんも、口を開かなかったんだ

翔、なんでも話してきて、お互いを理解しあってきたのよね?

何でもじゃないよ…

………もう、ジュリ、自分でわかってるなら、話しなさいよ

……ジュリさん、黙ってた

もう、じゃぁ、別れたら!

………ジュリさん、泣いてたんだ
マオミさんの言葉で

………悪いのは、お互いだからさ

俺の言葉に、ジュリさんが、

どうして?……

そう、聞いたんだよね

なんのこと?、って、聞いたら…卑怯かな?

…………ジュリさん、うつむいてたんだ

翔………あんた、男でしょ
自分から話しなさいよ

マオミさんに言われた

話したくないんだけどさ……スンゲー自分が嫌でさ…
話してくれるの待ってようかなって
けど、それはないみたいだよね?

思い当たること……ひとつしかない…

ジュリさん、そう言ったんだ

………迎えにいって、驚かそうと思ったんだよ
少しでも、会えるしって…

………信じて、ないよね?

……半信半疑、かな…

…………また、会話が止まったんだ

翔は、何が気にくわないの?

マオミさんに聞かれたんだ

別に、なにも気にくわない訳じゃないよ、

なら、なんなのよ?

……わからないだけ
嘘をつく、理由が……

………信じてないってこと?

なにを?

ジュリの、気持ちをよ

信じるって、なに?
バカになることなの?

……嘘って、理由があるわよね?

そうだろうね

良い方に取るか、悪い方に取るかで違うわよね?

……嘘をつく理由がわからないよ
正直に話しにくいつてのは、想像つくけど
無理矢理良い方に取っても……嘘をつく必要があるのかなって…
つき通すのも、面倒だよ、きっと

後から話そうとしたのかもよ?

……その理由がわからないよ
だから、話してくれるのを、待ってたんだよね
話せない理由は、想像でしかないけど

どんな想像なの?

言葉にしたくないな

………ジュリ、どうするの?
話すの話さないの?!

………マオミさんの言葉だったけど
ジュリさんは、黙ったままだったんだ

…………

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