《MUMEI》 「楓ってさ、なんにも言わないよね」 「えっそうかな」 「うん。いつも聞いてくれてるだけじゃない?」 ごくりと大きな音をたてて唾が喉を通る。 「だ、だって言う程の事じゃないし」 本当だよ 舞子ちゃん 言う程の事じゃないんだよ 私の話をしたって面白くないんだ、きっと 「ふーん。私は楓の話を聞いてみたいなぁ」 「……そんな目で見ても駄目なものは駄目」 「けちんぼ!」 前へ |次へ |
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