《MUMEI》

「楓、バイバイ。また明日ね」



「うん。また、明日」




私は 臆病だから`また明日´って絶対言うの



明日も舞子ちゃんを私に縛りつけたいから






だから きっと その瞬間 寂しくなるんだ






自分の元を離れたことが気にくわないんだと思う





「すぅー、はぁー」




深呼吸をして、表札の槙村って名前を確認して、敷地内に入る




一歩が重くなって、段々大きくなる玄関が、ひどく遠いものに感じる





「あー、あー」





ただいまってちゃんと言わなきゃ




ちゃんと 伝わるように

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