《MUMEI》
―――男の人は
・
ヤッベー………。
俺ってばなんて事を!
全身から嫌な汗が吹き出してくる。
顔熱い…、
俺…今すぐ死にたい…。
「ぷっ…あハハハハハッ!!何だオマエー!天然かよ!?
ひ―――――っ!
アハハハハハっ!!」
男の人は突然、
豪快に笑いだした。
何だか分かんないけど俺もつられて笑ってしまう。
つか笑ってごまかせって感じだけど。
でもスッゲー救われた。
緊張が直ぐに安堵感に変わって……。
「おい、何泣いてんだよ」
「へ?」
突然真顔になって言われて、俺は慌てて人差し指を目元にあてる。
「ぶっ!ウソだよ――ん!!アハハハハハっ」
「もう!いじめないで下さいよ―っ」
何だろ、この人あったかい……
あったかい……。
・
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