《MUMEI》

京の街で聞き回るが手がかりがない。

斎藤と沖田はそんな千鶴の様子を視界の端に捉えながら歩いていく。

「駄目でした………。」

項垂れて隊士の列に戻ってくる。沖田が励ますが千鶴は落ち込んだままだ。

「総司、先に行っててくれないか?」

「………うん、わかった。さぁ、行こう。」

斎藤の頼みを沖田は快諾すると先に行ってしまった。

「あの……斎藤さん?」

千鶴が不思議そうに尋ねると

「……他に回っていない店は?手伝う。見回りは総司達で充分だ。」

「………!!ありがとうございます!」

千鶴が満面の笑みを浮かべると斎藤は僅かに頬を赤らめると先に歩き出した。

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