《MUMEI》

口挟ませてね

マオミさん、そう言ったんだ
そして

わたし、昔の彼と寝れるよ
たぶん、愛が無くてもね

そう、言ったんだ

ジュリも、同じかもね、ひとつ違うのは、ジュリが、の、身体はジュリだけのものじゃないってことよ
………居心地よかったんでしょ?
楽ばかりできて……主導権握れて
本気の恋愛してこなかったからよ…

………そうね、否定しないわ

ジュリさん、そう答えてた
そして、俺を見て

寝ようと思えば寝れたかな…
でも、もうムリ……
………居心地より、本物が欲しいから

それがわかれば上出来よ
翔……付き合ったからって、抱いたからって、自分のモノにはならないわよ
正面からぶつかり合って、喧嘩しあって、理解を深めてくの……
もっと、好かれるようになりなさいよ、
そうしてら、女は他の男と寝ないわよ
好きな人の赤ちゃん産みたいもん
男と違うの、その一線は大きいの、必ず妊娠が付きまとうからね…
性欲だけじゃ……私らは寝れないのよ
その気になれば、寝れる、けど、大切なモノを捨てなきゃ出来ないの…
翔も、悪いのよ……遠慮してるもの、
その場で腕掴んでも連れて帰りなよ…

………そうだよね
この場で理解しようっていったって…

そうよ、お互い悪いんだから…
………でも、ジュリが、悪いかな?
別れた男がどうなろうと、知ったことじゃないわよ……
違う?

………よい人になりたかったの
お金、かなり使わせたし…
よい人にならなきゃ、翔に正面から向き合えないって……

ジュリさん、俺…よい人求めてないよ

え?……

誰にでも愛想振り撒く女、嫌いだもん
………高飛車でも、わがままでも、
思いが通じ会う女性じゃなきゃ…
俺自身、悪い人間だしね……

……有りのままの私を見て
偽らないから…

うん、ジュリさんもね

うん、翔を、もっと知りたい

……焦っちゃいそうだよ…

私も……焦ったから、迷ったんだと思ってるわ
逃げないから、ちゃんと、見て

うん

ごめんなさい………

謝らないで

謝りたいの…

……やだよ、 そんなの
本当のスタートを切ろうよ

うん

ジュリ………キスしたい

………うん

ちょ、ちょっと、私が居るのよ!
………な、……もう……勝手になさい!

マオミさんがいる前だけど、ジュリとキスしたんだ

……………

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