《MUMEI》
可愛くない私
「着いたよ。」
その声に顔を上げれば
胸に響く鈍い音。
女の子向けのアクセサリーショップ。
ズキッと痛む胸が
顔を青く染める。
私、馬鹿だった。
当たり前にユウくん自信の
モノを買うと思ってた。
ちょっと考えるとわかったはずじゃない。
ユウくんは、モテるし
彼女くらい―・・・。
目尻が熱くなる。
ダメだ、泣いちゃ。
立ち尽くす私にユウくんは
「入らないのか?」
と、いつもみたいに言うから
私は、精一杯の作り笑顔を
浮かべた。
薄っぺらな表情に
ユウくんは眉をひそめたが
何も聞いてこなかった。
今は、私にとってそれが何よりも
嬉しい耐用だった。
何か言われてたらきっと―・・・。

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