《MUMEI》
やっぱり君しかいないから、
「ねー、いい加減彼氏できた?」

「まぁだー…」

だって私には、ずっと好きなあの人がいるから。

「まーさーか、まだアイツとか言わないよね…?」

「あいつじゃ、悪いー?」

「…あんたには…悪いけど、アイツまた彼女出来たらしいよ…。」

こんな報告は頻繁だ。

「別にいいのよ…。もぅ、」

良くなんかないけど、仕方ないよね…。

―――――――…
「…もう、終わりにしよ。」

ヴヴ…ヴヴ…ヴヴ…
ケータイのバイブがなる。

「え、何…」

メールが、きていた。
内容は…
『あいつ、彼女と別れてたみたい!!
今彼女募集中なんだってよ!!
告ったら!?笑』

ぅそ…別れた…?

彼とは二年前に付き合っていた。
お互い時間がとれなくて会わなくなり、別れてしまった。
私はその後も何人かと付き合ったけど、嫌になってすぐ別れた。

どうしても、彼が出てきてしまって…。

もぅ、今しかないかもしれない。
私の思いを告げるチャンスはきっと今。

『あの…私、貴方と別れてからずっと辛かった。貴方に彼女ができると、その度に悩んだ。やっぱり君しかいないから、君が…大好きなの、今もずっと。』

ぐだぐたな文を震えながら打ち込む。
やっと書き終わって、送信…。

「これでフラれても、悔いはない。」

ヴヴ…ヴヴ…ヴヴ…

き、きた…。

彼の返事は…、
『いいよ♪』

え…。

『付き合ってもいいよ♪』

やっぱり君しかいないから、私にとって…。

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