《MUMEI》 「あともう少しです!沖田さん。」 山道を歩き出して何日たっただろう。 「あと……もう少し………。」 ******* 君と出会ったときはなんて不運な娘だろうって思った。 僕が冷たい言葉を放つたび君はどれだけ傷ついただろう……。 だけど何故そんな僕を見捨てなかったんだ? あれほど傷つけられて………何故、微笑みかけてくれたんだろう。 ******* ふと空を見上げると夜空に煌めく星。 「あれ、近藤さんに似てる。」 沖田は夜空の中で一番輝く星を指差す。 「じゃああれは土方さんと沖田さんですね。」 横に寄り添う二つの星。 「一君はあれで……平助と左之さんと新八さんはあれ。」 静かに輝く星と明るい色の三つの星。 「そろそろ行こう。昼はまた動けなくなるから………。」 沖田と千鶴は再び歩き出した。 前へ |次へ |
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