《MUMEI》

春。
千鶴の故郷についた二人は静かに二人で暮らしている。
沖田の病気や変若水もそれを感じさせないまでに回復した。

桜が舞う。
ふと思い出す新選組と過ごした日々。

「ぼーっとしてどうしたの?」

不思議そうに千鶴の顔を覗く。
手には編みかけの花冠。

「みんなは元気ですかね………?」

田舎のため外の情報は限られていた。

「うーん……土方さんは無敵だし……。平助も案外しぶといし………。」

「沖田さん。それ誉めてるんですか?」

「もちろん。あの人達が居なくなるなんて想像つかないし。」

そう言って千鶴の頭に花冠を乗せる。

『新選組に…栄光あれ』

願いを込めて大空を仰いだ。

        沖田 総司 編 【完】

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