《MUMEI》
君の笑顔〜藤堂 平助 編〜
彼は藤堂平助。
若いのに幹部だけあって刀の腕は一流らしい。

彼女と新選組が出会って数日後。
外に出れなかった千鶴を連れだして屯所を案内しているのは彼だ。

「えっと……藤堂さん。今日は色々ありがとうございました!」

「そのさ¨藤堂さん¨って他人行儀に言うのやめろよな〜少しの間でも一緒に暮らす仲間なんだからよ。」

「………えっとじゃあ………平助くん……?」

千鶴は戸惑いながら言うと藤堂はにこりと笑って

「あぁ!改めてよろしくな!」

そこに現れた二人組。
原田左之助と永倉新八。

「おい………抜け賭けか平助……。」

すごい形相で藤堂を掴む永倉。

「うぇ……首絞まる!!誤解だって!新ぱっつぁん聞いてる!?窒息するぅ〜」

否定しても完全無視。

「千鶴……平助には気ぃつけろよ…。」

原田が千鶴に耳打ちする。あと新八もな、と追加する。

「三人共、仲がいいんですね。」

しかし、藤堂の悲鳴は千鶴が助け船を出すまで止むことはなかった。

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