《MUMEI》 「おい……千鶴。早く起きろって!」 ある冬の朝。 千鶴は藤堂の声で目覚める。 「…?平助くん!?どうしたのこんな朝早くに。」 「まぁ見てみろって。」 障子を開け放つと辺りには雪が積もっていた。 「おー千鶴。早く来いよ!」 永倉と原田が雪の玉を積んでいた。 「雪合戦!早く来いよ〜」 そして雪合戦が始まった。 向こうから飛んでくる玉は全て藤堂狙いだ。 「痛ってぇ〜石入ってんだろ!?」 永倉の怪力で握ると石のような痛さらしい。 「つーか、新ぱっつぁん、左之さんちょっとはあっちにもな…………」 「ほう……いいんだな?千鶴、恨むなら薄情な平助を恨め。」 「えっ!?ダメダメダメっ!」 ダメを連呼する藤堂。 「多少なら当たっても平気だよ?」 千鶴が言うとますます取り乱して 「俺の心情的にダメなの!」 じわじわと藤堂たちは追い詰められていった。 前へ |次へ |
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