《MUMEI》

「せいっ!とうっ!!」

いつの間にか藤堂は氷柱を手に自分にばかり飛んでくる雪の玉を破壊している。

「ちっ……平助のヤロウしぶといな………。」

ひときわ大きな玉を作りながら永倉がいう。
そしてその玉は藤堂の後ろの木へと当たった。

「下手くそ!!」

ザザッと何かが崩れるような音。

「平助くん!上!上!!」

木に積もっていた雪が藤堂めがけて降ってくる。

大きな雪の山から藤堂が出てくるとそこには先程までいた千鶴たちの姿はなく、代わりに土方が仁王立ちで立っていた。

「平助……あれはどういう事だ………?」

廊下に雪が飛んできていて歩けるような状態ではなかった。

「えーっとそれは………。」

辺りを見回すと木の影に三人が隠れていた。

「言い訳すんじゃねぇ!!!」

後片付けは四人ですることとなった。

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