《MUMEI》

「………元々死んだ身だから。せいぜいたくさんの敵を道ずれにしてやるさ。」

虚ろな笑みを浮かべる藤堂。

ビシン!!!

千鶴が彼の頬を叩いた。千鶴の目には涙が浮かぶ。

「自分から消えようとするなんてひどいよ!……平助くんが生きるための方法はきっとあるよ。一緒に探しに行こう?」

「いつ俺が消えるかわからないのに………。けど千鶴が笑ってくれるなら……もう少し生きていたいって思えるよ。」

にこりと笑う。
そして千鶴の手をとり、歩き出した。

「さぁ…行こう!」

「うん!!」

空には幾千の星が輝いていた。

        藤堂 平助 編 【完】

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