《MUMEI》

早朝…、僕は櫻宮家の一人娘、櫻宮しおり様の執事としてこの豪邸にやって来た。

「お早うございます。旦那様」

「おぉ、…お前が空か」

「はい。しおり様の執事を仰せつかっております。」

「あぁ、頼んだぞ。爺や、空をあのこのもとへ」

「宜しいのですか…?」

「構わん。きっと三日で止める。」

「失礼ながら、旦那様、私はその様な無責任な行動はとりません。」

「皆、そう言ってやめたのだ。信じれまい。」

少しの悔しさを押し殺し、私はしおり様のもとへ向かった。

「ここが、しおり様のお部屋になります」

どう見てもここは地下室。
地下に白いドア一つあるだけで、薄暗く、声は響き、不気味な感じさえ覚える。

「くれぐれも、失礼のないように。」

そう言って戻っていく…。

コンコン…
「だれ」

「しおり様の執事を仰せつかっております。空です。」

「また変わったの…。入れば?」

「失礼します」

白いドアを開けると…

髪の毛はのびきり、いたみ、部屋はぐちゃぐちゃ、着ている服は黒ずみ、とても裕福な家庭のお嬢様だとは思えなかった。

「聞きたいことあるならいって、」

「何もございません。」

「ぇ、」

「あえて、聞くならば、お風呂場はどこですか?」

「…こっちよ。」

少し、驚いた様子で僕を案内する

「ここよ、」

「…では、その服脱いでください。」

「はぁ?!何いってるの!?」

「お気に入りですか??その服。では、私が抜かせますよ?」

「い、いいわよ!!自分でするから!!あっち向いてて!!」

「かしこまりました」

言われた通りにしおり様に背を向ける

「ぬ、脱いだわよ?」

「下着もですか?」

「は!?」

「下着も脱いだらお風呂場に行ってください。」

「っ…」

しおり様は素直に言うことをきき、お風呂場へ、行った

「そこで、体を洗っていてください。髪の毛もしっかりと、」

「はぁ!?」

「せっかくお顔立ちは綺麗でいらっしゃるのにもったいないですよ?」

「…わかったわよ…」

その間に僕は、新しい服を用意し、今まできていた服は洗濯し、部屋を片付けた。

「…こんなもんかな。」

「これ、あんたが…?」

「はい。」

「…久しぶりにこの部屋をまじまじと見たわ…」

「髪を乾かします。そこに座ってください」

「…こんな髪いらないわ…切ってちょうだい」

「宜しいんですか?」

「髪を洗うとき、すごく大変だったの。構わないわ」

「かしこまりました」

きみはきっと、人に慣れていないんだ。
だから、どう接していいかわからず、きつく当たってしまう。
だったら、僕から接してあげればいい。
が困らないように、僕から接してあげればいい。



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