《MUMEI》

ある日、土方の部屋を千鶴が掃除しようとした。
………が、そこに居たのは沖田だった。

「なんで沖田さんが居るんですか?」

「なんでって……。これ目当て。」

手には『豊玉発句集』と書かれた帳面。

「なんですか?それ。」

「土方さんの発句集。」

と言ってパラパラとめくっていく。

「勝手にいいんですか?怒られるんじゃ……。」

千鶴の勘は鋭かった。

千鶴が殺気に気づいて振り向くと
怒りに満ちた土方が部屋の入り口に立っていた。
無論、気配に敏感な沖田はとっくに気づいていたが……。

「おい……総司。ここで何してやがる……?」

「何ってこれ読んでました♪」

反省の色なし。

その後土方の怒りの怒号が屯所内で響きわたった。

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